Kanary と Otter.ai

Kanary と Otter.ai の違いと選び方

この2つは、同じ課題に正反対の側から答えています。Otter.ai は録音をアカウントに集め、ブラウザさえあればチームの誰もが検索できるクラウドのワークスペース。Kanary は録音も文字起こしも要約も Mac の中で完結させる macOS アプリです。

このページは Kanary が作っています。よく似た製品ですが、軸足が違います。Otter.ai はチームで共有するクラウドのワークスペース。Kanary は自分の Mac の中だけで完結する録音です。

表だけ見たい方はこちら
0 バイト
デフォルトでアップロードされる音声
0 秒
会議のあと文字起こしを待つ時間 (字幕は会議中に出ます)
0 台
参加者一覧に並ぶボットの数
16 MB
アプリ本体のダウンロードサイズ (v3.3.3)

どちらが向いているか

分かれ目は機能ではありません。価格でもありません。その録音を、自分以外の誰かが必要とするかどうかです。

Otter.ai を選ぶ人

  • 自分が出ていない会議を、同僚が開ける必要がある (先週の商談を営業が読み返す、休んだレビューに上長が追いつく)
  • 会議の記録を、チーム全員が検索できる1か所にまとめたい
  • 共有できるなら、録音がクラウドに保存されても構わない

Kanary を選ぶ人

  • 録るのは自分のための記録 (面談、顧客との通話、1on1、講義)
  • 録音が自分の手元にだけあればいい
  • 自分の Mac でできる処理に、1人あたりの月額を払い続けたくない

両方を使う手もあります。みんなが見る会議は共有ワークスペースに置き、法務や人事、買収の初期検討のような話だけ手元で録る。Kanary には無料プランがあるので、併用しても費用はほとんど増えません。

大きな違いは4つ

01

その録音を他の人も開く?

Otter.ai は録音をチームが開ける場所に置きます。Kanary は録った Mac の中に置きます。

他の違いは、すべてここから生まれます。Otter.ai は録音をアカウントに置きます。だからチームの誰もが、どの OS のブラウザからでも過去の会議をまとめて検索できます。権限もまとめて管理できますし、自分のノート PC を閉じていても議事録は読めます。

Kanary は録音を、それを録った Mac の中に保存します。自分の Mac 同士は iCloud Drive で同期できますが、チームの共有ライブラリはなく、同僚にアクセス権を渡すこともできません。機能が足りないのではなく、デフォルトで何もアップロードしないことの裏返しです。音声が Mac の外に出るのは、自分で iCloud Drive 同期を有効にしたときだけです。

共有が必要なら、ここで読むのをやめて Otter.ai を使うのが正解です。その用途では明らかに優れています。

02

実際に会議へ行くのは誰?

Otter は代わりに出席して記録できます。Kanary は本人を会議へ連れていき、録るかどうかは本人に残します。

Otter に Google カレンダーまたは Microsoft Outlook を接続すると、Notetaker が予定された Zoom・Google Meet・Microsoft Teams に参加者として自動参加できます。参加対象は設定でき、本人が欠席していても記録できます。ただし、ホストによる入室や録音の許可が必要になる場合があります。

Kanary は Mac に同期済みのカレンダー — iCloud・Google・Exchange など — を読み、開始1分前に会議リンクを開きます。別の参加者として入室せず、本人の不在中には記録しません。会議側がゲストボットを許可しているかにも依存せず、録音を始めるかは本人が決めます。

自動化の度合いは Otter が上です。Kanary は出席と録音を Mac の前にいる本人から切り離しません。不在でも代わりに出席する仕組みが欲しいか、参加者を増やさず会議へ入り忘れない仕組みが欲しいかで選べます。

03

無料枠は実際どれくらい?

Otter.ai の無料枠は月あたりの時間で区切られ、Kanary は1本あたりの長さで区切られます。

Otter.ai の無料プランは月に約 5 時間まで。加えて1つの会議は最初の 30 分だけが文字起こしされるので、1時間の打ち合わせは後半が残りません。どちらかを超えた先は1人あたりの有料プランです。

Kanary の無料プランに、月あたりの時間制限はありません。誰かのサーバーで処理していないので、量る理由がないからです。代わりに、1つの録音で文字起こしと要約ができるのは 1 時間 15 分まで。有料プランではこの制限がなくなります。

1会議あたりの上限も見ておきたいところです。続けて話した1本の通話にかかる制限なので、終日の企画会議や長いワークショップでは文字起こしが途中で上限に達します。Kanary は録音しながら裏で圧縮するので、3時間の全体会議も普通に録れます。ディスクが埋まりそうなときは、そこまでの録音を守って安全に停止します。

04

ローカルファーストの強み

Kanary が録っているのは会議ではなく Mac です。以下はすべて、その一点から出てきます。

  • 英語の一文が終わらないうちに日本語の字幕が出る (2言語を並べることも)
  • 通信のない機内でも、アカウントがなくても動く
  • 自分の声と相手側の音声を、最初から別トラックで録る
  • 参加者一覧にボットが並ばず、入室の承認もいらない
  • Google Meet・Zoom・Teams・FaceTime・Discord・WhatsApp・LINE を個別設定なしで
  • .mov や .mp4 をドラッグすれば、音声を取り出していつもの録音と同じように扱う
  • 会議の途中の文字起こしを、Cue が Claude や Codex、Cursor にそのまま渡す
  • 通話がマイクを使い始めると、ワンクリックで録音を始める通知が届く

がんばれば埋まる差ではありません。クラウドサービスは、音声をアップロードして、処理して、返すしかない。その往復が製品そのものだからです。Kanary はスピーカーの音を Mac の中で直接読むので、待つべき往復がありません。

自分の声が相手側の音声に混ざらないのも同じ理由です。マイクとスピーカーを別々のトラックとして録るので、自分と相手側は、モデルに渡る前から分かれています。

ボットが行けない場所にも届きます。ボットは招待された会議にしか入れませんが、大事な話ほど、誰も招待状を出さない通話で交わされます。

英語日本語録音中

英語の会議でも、話しているそばから日本語の字幕が出ます。アップロードも待ち時間もありません。

一覧で比べる

参照用の一覧です。数値は各社の公式ページから取り、確認日が違うものだけ、その行に日付を添えています。

Otter.ai の数値は 2026年9月1日 に公式ページで確認したものです。第三者の「代替ツール比較」記事は出典に使っていません。このページ自身がその種の記事だからです。一次情報で確認できなかった項目は、どちらに有利かに関わらず表に載せていません。

表は横にスクロールできます

主な違いKanaryOtter.ai
無料プラン無料 (期限なし)無料 (2026年8月26日 時点)
無料枠の文字起こし月あたりの上限なし (無料プランは1録音 1 時間 15 分まで)300分/月 (2026年8月26日 時点)
無料枠のファイル取り込み上限なし (.mov / .mp4 をドラッグすれば音声を取り出して処理)3件(通算) (2026年8月26日 時点)
文字起こし対応言語日本語・英語・中国語・広東語・韓国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・日本語・中国語 (簡体) (2026年7月23日 時点)
書き出し形式Markdown、SRTMP3, TXT, PDF, DOCX, SRT (2026年7月23日 時点)
チーム共有ライブラリなし (自分の Mac 間の iCloud 同期のみ)あり (2026年8月28日 時点)
対応デバイスmacOS 26 Tahoe 以降・Apple Silicon のみMac, Windows, iPhone / Android, browser (2026年8月28日 時点)
業務システム連携なし (代わりに CLI と Markdown / SRT 書き出し)Salesforce, HubSpot, Slack, Notion, Jira, and more (2026年8月28日 時点)
対応する会議アプリ制限なし (Mac で鳴る音すべて)Zoom, Google Meet, Microsoft Teams, Slack Huddles (2026年8月28日 時点)
参照するカレンダーMac に同期済みのカレンダー (iCloud・Google・Exchange など)Google Calendar and Microsoft Outlook
会議時刻の動作1分前に会議リンクを開く (本人不在では録音しない)ボットが参加者として入室し、本人不在でも記録可能
ボットなし録音常に (会議には何も参加しない設計)デスクトップアプリでのみ可 (Zoom・Google Meet・Slack ハドル) (2026年8月28日 時点)
音声の処理場所手元の Mac自社サーバー (2026年7月23日 時点)

Otter.ai の方が適しているケース

どれも、端末の中で録ることの裏返しです。入れてから気づく方が困るので、先に書いておきます。ひとつでも当てはまるなら、今日の時点では Otter.ai が正解です。このページの役目もそこまでです。

  • 他人の会議を仕事として見る必要がある場合。部下の商談を聞いてコーチングする、過去の顧客対応から新人が学ぶ、案件の引き継ぎ、通話の品質管理。こうした仕事には共有ワークスペースが欠かせません。
  • 議事録を Salesforce・HubSpot・Zapier に流し込みたい場合。直接つながります。
  • 組織として導入する場合。SSO・SCIM・操作ログ・利用分析・HIPAA (アドオン) が揃っています。
  • 手元の環境が動作要件の外にある場合。Windows・iPad・古い Mac・ブラウザでも動きます (Kanary は macOS 26 Tahoe 以降・Apple Silicon 専用です)。
  • 要約の処理を自分のマシンにさせたくない場合。すでに重い作業中のノート PC や、長い会議が連続する日に効いてきます。

両方を使う手も現実的です。共有が要る会議は Otter.ai、外に出せない会議は手元で録る、という分け方です。

それぞれのトレードオフ

Kanary

  • macOS 26 Tahoe 以降・Apple Silicon が必要

    Windows・iPad・Intel Mac・ブラウザ版はありません

  • チーム共有ライブラリがない

    自分が出ていない会議を同僚が開くことはできません

  • Salesforce・HubSpot・Zapier 連携がない

    管理コンソールと SSO もありません

  • 文字起こしと要約に自分の Mac の処理能力を使う

Otter.ai

  • 音声がサーバーへ送られて保存される

    設定で有効にするのではなく、普通に使うだけでそうなります

  • 無料プランに上限がある

    月間の合計と、1会議あたりの両方にかかります

  • 録り方によっては会議にボットが入る

    その場合は入室の許可が必要です

  • チーム利用は1席あたりの月額課金になる

macOS 上の Kanary 録音ウインドウ
録音ライブラリ。文字起こし、構造化された議事録、2つの音声トラックが1つのウインドウに。

すべての言葉を。
ずっと手元に。

会議も講義もポッドキャストも。録音とライブ字幕と要約が、無料から。

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